
こんにちは、大阪・京都を中心に活動しているバンド 「ダイバーキリン」の山中です。gt(ギター)とvo(ボーカル)を担当しています。今日はアーティストとしてライブハウス『扇町para-dice』を紹介します。
「ライブハウスってよく知らない」という方にとって、少しでも興味を持ってもらえたり、敷居が下がったように感じてもらえると嬉しいです。
ライブハウス『扇町para-dice』とは?

『扇町para-dice』は天神橋筋商店街(日本一長いアーケード)の雑居ビル地下1Fにあります。最寄駅のJR天満駅・地下鉄堺筋線扇町駅からは徒歩5分。
今年(2020年)で11周年を迎えました。前身の「扇町dice」の時代を含めると、なんと約20年だそう。そんな『扇町papa-dice』はダイバーキリンにとって心の拠り所のような場所です。(ほんの一瞬ですがアルバイトしていたこともある、くらい。)
何回ライブしたかわかりません。
何回ライブを観に行ったかもわかりません。
関西の音楽シーンを超えて全国区となったナードマグネット、モーモールルギャバン、空きっ腹に酒、ASAYAKE 01、などのアーティストたちも『扇町para-dice』へ頻繁に出演していた頃がありました。今でも深い繋がりを持っています。
『扇町para-dice』が音楽やアーティストへ深い愛情を持ってきたから。今でも全国のアーティストから、そしてお客さんからの支持を集め続ける所以になっているのだと思います。
この場所が10年以上愛され続ける理由

『扇町para-dice』のスタッフはなんと全員アーティスト!それぞれが20年前後のキャリアを持つ腕利きのプレイヤーです。現役アーティストの視点と感性で、イベント運営からライブのブッキングまでを行なっています。
そんな『扇町para-dice』には駆け出しのアーティストが沢山出演しています。良い時は褒め、ダメな時は叱咤激励をしてくれる『扇町para-dice』のスタッフたちがこの場所の一番の魅力です!
僕たちがいいライブ、いいイベントに(そしてよくお酒の出る日に)出来た時は、「サイコーやったな今日!ありがとう!またやろな!!」。
全然ダメで、メンバー全員しょんぼりしていた時は「お前らが今ダメダメなのも、不器用なのも、やりたいことがどういう音楽なのかも分かってる。そのままでいいよ!だから、これからもっと良くなるためにどうしたらいいか考えよ!がんばれ!」。
そこには大きな愛があります。その愛はアーティスト自身に向けてはもちろんのこと、「音楽」にしっかりと照準を合わせてくれています。
アーティスト、といってもみな駆け出しの頃があります。お客さんだって全然いない。演奏もガタガタ。みなこういった経験をして、実力をつけていきます。
売れる売れないではなく。流行がどうだとか、ウケや忖度ではなく。
音楽の楽しさも苦しさも同じように経験してきたからこそ、そしてそんな音楽を愛する者同士、より良い音やより楽しい夜を作るためにとことん一緒になってくれる。そんな人ばかりです。だからこそアーティスト側も真摯に受け止めることが出来ますし、全力で表現に挑戦出来ます。それはきっとお客さんにとっても全力で音楽を楽しめる場になるはずですから。
人付き合いの出来るライブハウス
「ライブハウスの人」ってどんなイメージを持たれるでしょうか。気難しそうで、なんだか無愛想、職人気質な人。僕もそんなイメージを持っていました。ちょっと怖いような。『扇町para-dice』のスタッフはそういった面が無いわけではありませんが、みな一様に「接客業」であることにプライドを持って仕事をされているのが伝わってきます。
お客さんが来たら「いらっしゃいませ!」「こんばんは〜」。ドリンクの注文なら「何にされますか?」「今日はこんなのありますよ!」。
ある意味当たり前なのですが、ライブハウスのような非日常空間ではこのように「お客さん」として対応や会話をしてもらえることが安心感に繋がります。
自分がお客さん・出演者に関わらずスタッフと気さくに話せるお店は、僕の経験上でも少ないです。みな話好きな方ばかり。
なにせ、仕事終わりだったり近場で飲んでいた人たちがイベントには間に合わなくても、終演後でも飲みに、話しにくるような、「呑み屋」のような愛され方をする場所なんですから。
日常生活では体験できない音の良さ

ライブハウスでライブを観るという体験で最も大きなポイントは「音」です。日常生活では聴くことの出来ない、全身を震わせ走り抜けて行くような大きな音。その場のみなが耳を澄ませてじっと聴き入るような、静謐な音。そんなライブハウスの「音」を一手に担うのがPAという仕事。いわゆる音響さんです。
『扇町para-dice』はメインのPAを代表瀧井さんが自ら担当しています。「para-diceはええ音やなぁ」と出演バンドはもちろん、お客さんからも言われるええ音、そして大きな音が鳴ります。
瀧井さんは、音響会社も運営しています。豊富な経験や知識を活かして、環境の異なるその場その場でベストな音を探し、作っています。(同じライブハウス内・同じ音響機材でも出演者・天気・PAさんの体調などで毎日音は変わります。別の場所や屋外となれば尚更!)
これでもかという爆音のアーティストでも、囁くような音の小さなアーティストでも、それぞれの良さや出演者・お客さんの求める音を実現してくれるとなれば、双方満足感の高い場になりますよね。

2020年6月現在、関西はもとより全国のライブハウスはこの新型コロナウイルス流行のあおりを受けて大変な危機に瀕しています。『扇町para-dice』もそのひとつ。4月・5月と営業を休止。その4月はライブハウスにとって1年で最も重要な「周年月間」でもありました。
6月からはライブイベントは全て取りやめ、バー営業のみで営業を再開されました。
一刻も早い終息、そして『扇町para-dice』や全国のライブハウス・アーティストが大手を振ってライブイベントを開催出来る日が戻って来ることを心から願っています。
その時が来れば、ぜひ気軽に扇町へ足を運んでみてください。少しの勇気を持って、螺旋階段を降りればきっと新しい未知の音楽、新しい非日常と出会えるはずです。
ライブハウスで会いましょう。
執筆・撮影 ダイバーキリン ギター・ボーカル 山中
山中さんが店主を務めるCafe,bar & music アトリの記事はこちら▶︎▶︎https://neoosaka.com/blog/cafebaratori/
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名前 | 『扇町para-dice』 |
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住所 | 大阪市北区天神橋4-7-30 B1 |
電話番号 | 06-6357-4681 |
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