大阪の難波の南に位置する堺市は、古民家を改装した個性的なお店が集まるエリアとして注目されているエリアです。2017年にオープンした『ユノカ・ラボ』は季節限定の石鹸販売を中心にコスメやフードの開発をしています。
しかし、店主の花井さんには石鹸屋の店主とは違うもう一つの顔があります。それは地域の不動産屋。祖父の時代から受け継いだ文化住宅をリノベーションして、個性的なお店の店主に貸し出す事業をしています。この取り組みを始め続けたことで、花井さんは自分が生まれ育った街が少しずつ、変わってきたのを感じたそうです。
今回はその花井さんに不動産業を経て、『ユノカ・ラボ』をオープンさせた経緯と、堺に対する思いについて聞いてきました。
大阪府堺市南島町と『ユノカ・ラボ』花井さんのつながり
花井さんの祖父は、堺市南島町で農業と住宅賃貸業を営んでいました。しかし時代の流れとともに、花井さんの祖父の所有する建物は殆どが空き家になってしまい、今後の活用方法が問題になっていました。「建て直してマンションにするのはどうですか」といった大手メーカーからの売込みもあったそうです。しかし花井さんには「南島町をもっと若い人たちが集まるような町にしたい」という想いをずっと持っていました。
2004年、花井さんは管理する空き家で最も大きい2棟24部屋の文化住宅を、実験的にリノベーションすることに決めました。大工さんと相談しながら、トイレ、シャワーなどの水回りは現代風に。そして天井を抜いてあえて梁を見せたりすることで、昔ながらの趣を残した新しい文化住宅に改装したのです。花井さんはこの改装した文化住宅をG-BOXと命名。
花井さんが作り上げたG-BOXは、個性ある物件を探していた若者の間で話題になり、入居者が日に日に増えていきました。すると次第にお店を始めたいという声があがるように。そこで花井さんは、入居者自身が改装を行うことを条件に近隣の古民家の貸し出しも始めるました。アカリ珈琲から始まり、ヌンクイカレー、ニコノパン、といった若い店主の経営する個性的なお店が、堺市南島町に集まりだしました。その流れに乗る形で、花井さんも2017年にはコスメとフードの開発を目的とした『ユノカ・ラボ』』をオープン。季節限定の石鹸の販売を中心に、南島町のオリーブやレモンを利用した商品開発を行っています。
石鹸のお店を始めた理由
不動産業を営むかたわら2017年に『ユノカ・ラボ』をオープンした店主の花井さん。石鹸の販売を始めたキッカケを伺いました。
花井:
私は昔から肌があまり強くなかったため、自分に合う石鹸がありませんでした。まずは自分に合う石鹸を開発したいと思ったのが、石鹸の開発を始めたきっかけです。
人とのつながりから生まれる季節限定の石鹸に
季節限定の石鹸のレシピは『ユノカド・ラボ』のオリジナル。「毎日使うものだから、体が悦ぶものを」をコンセプトに開発された石鹸は、店主花井さんが国内・外を旅して出会った素材が使われています。素材との出会いのストーリーは、石鹸を買うときに聞いてみてくださいね
地域の面白いお店が集まるマルシェ「南大島バザール」
南大島バザールは『ユノカ・ラボ』の花井さんが主催する地域のマルシェ。全国の人に個性的なお店が集まる大阪の堺という町を知ってほしい! と始まったイベントです。2019年9月には第21回目のマルシェが開催されました。堺市の人気店である「ヌンクイカレー」や「アカリ珈琲」を中心に、8つの飲食店。ショップは手ぬぐい専門店「にじゆら」や昭和レトロな家具を販売する「ひだり堂」など計6店舗。他にもワークショップやライブイベントなどもあり、盛りだくさん。1日楽しめるイベントです。
『ユノカ・ラボ』店主の花井さんは季節限定の石鹸や地域のマルシェを通して、堺市南島町を盛り上げているとても素敵な方でした。
「小さなお店の集まる町を作りたい・空き家を利用して地域を盛り上げたい」
そんな思いを持つ人にとって『ユノカ・ラボ』はアイディアやヒントの宝庫になるでしょう!
店名 | ユノカ・ラボ |
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住所 | 大阪府堺市堺区南島町2丁59番地 |
TEL | 072-238-4901 |
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