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美しい建築様式と展示で感性を豊かにするひと時を『大阪市立美術館』

瓦屋根に欧風の白い外壁。和と洋のバランスが絶妙で、暖かみと荘厳さが感じられる外観をした『大阪市立美術館』。美術館のすぐ裏には日本庭園「慶沢園」があり、緑豊かな植物と鳥のさえずりを楽しむこともできます。ここが大阪市内であることを忘れてしまいそうな空間です。

 

そんな『大阪市立美術館』は中国や日本の絵画・工芸品など8500件以上の美術品を保管しており、東洋美術の宝庫とも呼ばれています。今回は広報担当の桜井さんに、美術館や展示作品の特徴について伺ってきました。

 

緑に囲まれた自然の豊かな美術館

今回紹介するのは新大阪駅から地下鉄御堂筋線で南に20分の場所にある『大阪市立美術館』です。『大阪市立美術館』が開館したのは昭和11年。なんと東京、京都に次いで日本で3番目に設立された公立の美術館です。

緑の豊かな庭園(慶沢園)とあべのハルカス

大阪市立美術館の特徴は、周辺が美しい緑に囲まれていることです。同じ敷地内にある『慶沢園』は、旧住友財閥から大阪市に寄贈されたもの。設計は京都平安神宮の庭園を手がけた小川治兵衛。大きな池を中心に、200種を超える草木が植えられています。春には桜、秋は紅葉が美しい。

慶沢園の中の休憩スペースあずまや

園内には茶室やあづまやと呼ばれる休憩スペースがあります。私は何かに行き詰まると小説を持って、このあづまやを訪れます。池のほとりで静寂な空間に身を置くと、心の中を整えられる気がします

 

思わずカメラに収めたくなるレトロな建物

大阪市立美術館外観

大阪市立美術館は当時流行した「帝冠建築」と呼ばれる建築様式とは一線を画す土蔵風の近代和風建築で建てられています。2015年には登録有形文化財にも登録されました。建物は町家の蔵をイメージして作られています。単なる美術品の展示施設ではなく、収納施設であることを外観からも表現するためというのが理由だそう。また瓦屋根には大阪泉州産の本瓦葺が使われており、建築資材からも建物に対するこだわりが見られます。

中央ホール

一方、内装は豪華なシャンデリアや大理石が使われたヨーロッパ風のデザインに加えてイスラム風のアーチ装飾が目を引きます。外観との対比が新鮮です。私以外にも多くの人が写真を撮られていました。

 

大阪市立美術館の所蔵品の魅力と特別展

大阪市立美術館のコレクション

大阪市立美術品の特徴は、個人コレクションの寄贈が多いことです。館蔵品は8500件を超えます。中国の絵画や書籍、日本の江戸期・明治以降の絵画、漆工芸、陶磁器など貴重な工芸品を数多く有しており、東洋美術の宝庫と言われています。代表的なものには中国書画の阿部コレクション、日本屈指の中国石仏を集めた山口コレクション、日本の蒔絵(まきえ)など漆工品を集めたカザールコレクションなどがあります。また、近畿を中心とした社寺からの寄託品も多くあります

大阪市立美術館 入り口

今回、美術館を伺った時に催されていたのは特別展 「仏像 中国・日本」。京都、奈良、大阪、東京と、全国から集められた計70件の仏像が展示されていました。(2019年12月8日で終了)この展示の見所を広報の桜井さんに伺いました。

桜井さん:
今回の「仏像 中国・日本」は、東洋美術に秀でた大阪市立美術館ならではの企画展示。なので、ここでしか観ることが出来ません。今回の展示のポイントは2つあります。1点目は中国歴代の仏像が並ぶ珍しい展覧会で、中国の仏像の特徴、歴史が一目瞭然にわかります。日本の関連する仏像も同一空間・ケースに並べられて展示しているので、中国と日本の仏像の変遷を時代順に見ることができます

特鉄展示の様子
石造 菩薩交脚像龕 背面 中国南北朝時代・北魏 大阪市立美術館
石造 菩薩交脚像龕 背面 中国南北朝時代・北魏 大阪市立美術館

今回、特別展の展示室内の撮影は大阪市立美術館より許可をいただいて撮影しました。通常は撮影不可なのでご注意ください。

2点目は仏像を360度ぐるりと観ることができること。後ろからみると何か変わるのかと思うかもしれません。しかし、見えない所にまで手を抜かずに技術を尽くしている仏像もありました。

 

2019年〜2020年の特別展

大阪市立美術館』では特別展と呼ばれる大規模な展覧会が年に3〜4回行われています。2019年度は計3回開催されました。「フェルメール展」「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」「仏像 中国・日本」です。

2020年度に予定されている特別展は「フランス絵画の精華」。4月11日〜6月14日に開催される予定です。展示内容は、17世紀の古典主義から18世紀のロココ、19世紀の新古典主義、ロマン主義を経て、印象派の誕生前夜に至るまでの華やかな時代に描かれたフランス絵画を紹介する展覧会だそう。ヴェルサイユ宮殿美術館、オルセー美術館などヨーロッパを代表する美術館の協力のもと実現した展覧会です。

初めて『大阪市立美術館』を訪れた時の感想が、大阪にこんな場所があるなんて! でした。緑が豊かな庭園『慶沢園』と美術館そのものの印象的な姿、そして展示内容の素晴らしさに胸を打たれたんです。

 

今回の「仏像 中国・日本」は内容が良かったのはもちろん、展示されている仏像の配置や光の入り方に工夫されており、各々の作品をゆっくり味わいながら鑑賞できました。

二階から撮影したシャンデリア

そして美術館を訪れたなら、ぜひ館内の探検もお忘れなく。和風の外観とはうって代わり、シャンデリアや大理石を使った豪華絢爛な内装が美しく、何度もシャッターを切ってしまいました。感性を高める穏やかな休日を過ごしたい、そんな人にうってつけの場所です。

ライター ヤマシタ(Twitter:yamashita1986

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名前

大阪市立美術館

住所

〒543-0063  大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 (天王寺公園内)

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営業時間

午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日

月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)
年末年始(12月28日~1月4日) 

HP

https://www.osaka-art-museum.jp/

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