前回は『にじゆら』の人気商品と、そのデザインが生まれた過程を久間さんからお話を聞きました。今回はその手ぬぐいが生地の状態から染色されるまでの過程を、解説を交えながら紹介します
職人さんの手で丁寧に作られる手ぬぐい
工場で実際に手ぬぐいができるまでの工程を見学させいただきました。白い手ぬぐいの生地に美しい模様が映されるまで、写真を交えてご紹介します。
まずは手ぬぐいの生地。にじゆらが生地として使用しているのは「幸さらし」です。きめ細かく織り込まれ、じっくり時間をかけて不純物を取り除いた和晒(わざらし)。丁寧に仕上がった和晒は、染めも美しくなります。また良質な浴衣でも用いられるほど肌あたりが良くなめらかな質感です。1束からは25枚の手ぬぐいが生まれます。
デザインの型紙を敷いて、木のヘラで防染糊を敷いて行きます。
手ぬぐいの生地を台の上に固定し、デザインの型紙の上から木のヘラで防水糊を塗り込みます。この作業を25回繰り返します。理由は生地1束から25枚の手ぬぐいを作ることができるから。糊のついた部分は染料が染み込まなくなります。
糊の粘度や硬さは気温や湿度で変わるので、職人の経験だけが頼りだそう。デザインの美しさはこの糊づけで決まるそうです。職人がひとつひとつを丁寧に、かつスピードを持って仕上げていきます。
次に染料が他の箇所に流れないように糊で土手(仕切り)を作ります。
次は染色です。ドヒン(ジョウロのようなもの)に染料を入れ、土手の中に流し込んでいきます。時折、シューという音が聞こえます。これは折り重なった生地に染料を染み込ませるため、下から吸引する時に出る音だそう。
染色が終わったら、機械で余分な糊を洗い流す準備をします。
最後は水洗いです。川と呼ばれる洗い場で機械に掛け、最後は人の手で確認しながら結えます。この作業が終わると、手ぬぐいの美しい模様が浮き上がってきます。
クレーンのようなもので上に持ち上げます。
大阪発祥の染め技術、注染から生まれる『にじゆら』の淡い模様。実際に工場を訪れることで、ひとつひとつの作業の繊細さと職人の技術の高さを知りました。そんな伝統技術を生かしながらも、常に新しいデザインを生み続ける『にじゆら』。大阪を訪れる人は大阪の堺発祥の『にじゆら』の手ぬぐいをお土産におすすめします!
ライター ヤマシタ(Twitter:yamashita1986)
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名前 | 株式会社 ナカニ |
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